3日間に及ぶ夏のコミックマーケット、C86が16時を以って無事終了。
今回は、その終了後の撤収作業と、コミックマーケットの共同代表3名を中心として行われる反省会のレポートを。
撤収作業
コミックマーケットは、16時の終了放送後、毎回「撤収作業」というのを行っています。もちろん、借りている会場ですし、どのイベントでもやることですね。
その撤収作業は、業者によるものも多いですが、コミケではボランティアのスタッフ、またサークル、一般での参加者により行われています。
コミケに限らず、同人即売会では同様の形態をとっているものが多いですね。
そして、僕も毎度その撤収作業に参加させていただいています。一度参加して以来、これをやらないと終わった気がしないからですね。
この撤収作業、特別長く参加しているわけでもないですが、少しずつやり方が変わってきました。正直、かなりスピードアップしています。
途中で、椅子、机を借りる業者が変わったのもあり、トラックへの積載作業のフローが変わった、というのもありますが、
随所に見られる工夫と、参加者がかなり増えている、というのが大きいですね。
個人的に良いと思うのは、長机側面の真ん中に貼ってある、サークル名を示すシールです。
一般参加の方はみたことがない方も多いかと思いますが、サークル参加の方にはおなじみ。ブース番号と、3日分のサークル名が書かれたラベルシールが貼り付けてあります。
以前のシールは極端にはがれにくく、一発で剥がせることはほぼありませんでした。
失敗すると反対側から・・・と、苦戦する羽目になり、無駄に時間をとられてしまいます。途中で、その辺の印刷をする業者と調整を行ったそうで、
多少はがしやすいシールになりました。そして、最近では机に黒いガムテープをはり、その上から張るようになったため、ほぼ一発ではがせるようになりました。
それ以外にも、机の重ね方や椅子の積載の仕方も変わり、多くの人が並行して作業できるようになったので、タイムロスがかなり減りました。
なにより、経験豊富な参加者が増えていることが一番ですかね。(正直、数回しか経験していないコミケットスタッフよりは優秀)
そして今回驚いたのは異様に多い撤収参加者。何人かと話しましたが撤収初参加の方も多いようで。前回比でも2,3割増えているんでは?
問題があるといえば、終了後に30分以上も居座って帰ってくれないサークルさん・・・。
帰らないのはまだしも、机と椅子だけは回収できる状態にして欲しい、というのが正直なところ。
目の前に机の山を積んでいるのに自分の机を占有し続けている方もいて、図太い神経してるなーと思いました。
トラックなども入ってきますし、長机などを運んでいますので、非常に危険なので、正直「とりあえず外に出てください」と思いますね。
放送でもいわれているとおり、速やかにお願いしたいです。
いろいろありましたが、怪我もなく、無事撤収が完了。その後東4ホールにて反省会が始まりました。
反省会
コミックマーケットの最後を締めくくる会として、反省会を毎回行っています。
コミックマーケットはコミックマーケット準備会、有限会社コミケットが中心となって開催されていますが、
現在、その代表をされている方が安田さん、筆谷さん、市川さんの三名。共同代表という形をとっています。
その三名を囲んで、反省会スタート
共同代表の自己紹介と所感(要約)
安田さんは、「過ごしやすいコミケだった、艦これ(やってないけど)の本を買えてそこそこ満足」
筆谷さんは、「何もないところから工作して、それを解体するところまで。コミケは楽しい夏休みの思い出」
市川さんは、「本来の日取りより一週間後ろ倒しになったが、先週だったら台風真っ只中。運がいい。ビッグサイトさんの提案なので感謝。」
と、それぞれ話されていました。
コミックマーケット86の各種数字
まずは、参加者数。
1日目:17万人
2日目:17万人
3日目:21万人
合計:55万人
と、3日目が過去最大のときとタイ、という結果になったそうです。
このカウントは、会場側が行っているカウントと、準備会が行っているカウント、そして準備会自体の経験による体感値をそれぞれだして、つき合わせて公式発表としているようです。
去年と比べて1万人減ってるじゃないか、ということを言う人もいるが、千の位数えてないし、5000人や1万人増減したところで変わらない、という話がありました。
そして、救護室を利用した人数ですが・・・
1日目:100人
2日目:70人
3日目:60人
合計:230人
と、前回比でも9割になったようですし、熱中症で救急車を使うことはなかったという話もありました。
昨年えらい目にあった人が多く、各々の対策がしっかり出来ており、倒れることが少なかったのでは?という話でした。
そして消防の方からは「自分が知る限り最も統率の取れた集団」というコメントをいただいたそうです。
コスプレ参加者については
三日目だけでも男2000人、女4500人という状態だったそうです。(1日目と2日目については資料がどっかにいっちゃったそうでした)
男の娘レイヤーをカウントしてみるのは面白いかもしれない、という話も。
筆谷さんいわく「可愛いなと思ったら男子トイレに入っていく」「女装する人はもっともっと綺麗になっていただきたい」などなど。
取材関係
一番多かったのはやはり小林幸子さん関係。
テレビ、新聞、週間誌など、多くの取材陣が参加していたそうです。
普段どおりの取材に関しては、テレビ東京のWorld Business satellite。
初日でしたかね。筆谷共同代表もインタビューで出演されていましたね。
普段(出版社の編集長なので)「マンガの人」といわれるけど「テレビの人」といわれたのは珍しい、
報道では、画面栄えするコスプレを中心に扱われることが多かったが、雪印やホンダなどを中心とする企業ブースについてやってもらえた、という話でした。
こういう企業の出展が増えたのは、「一般企業の社員が管理職になって正体を出し始めたから」ではないか?とぶっちゃける筆谷さん。
コミケを利用するだけじゃなく、一緒に楽しくやっていければいい、という話でした。
同様に、各携帯キャリアについても言われていて、悪ノリな面もあるが
人間Wifiの人がコスプレで参加したり、バルーンで電波を飛ばしたりと、最新鋭の設備、技術を使って楽しく関わってくれてうれしい、これからも頑張って欲しい、という話でした。
企業関係
安田共同代表からは企業ブース関係の説明がありました。
4階での企業ブース運営について、会場側から「入場規制したら?」などと小言をいわれたりすることもあり、
試行錯誤しながら入場導線、島の作りを変えてきた結果、今回は以前より早く入場を行え、小言を言われることもなく、良い感じで終わったようです。
そういう工夫もありますが、やはり「慣れた一般参加の方達がうまく企業の誘導に乗っかってくれてできている」というのが大きい、ともはなされていました。
筆谷さんも話されていたホンダについて、
車に人格のようなものを与えて、運転手をアシストするシステムの開発のため、アンケートを実施していましたが、
「多く、良いサンプルがとれてよかった」とのコメントをいただいているそうです。
筆谷さんは「なんでそんなすごいホンダの技術の初だしがモーターショーじゃなくてコミケットなのか」という話もされていましたがw
また、集英社のほうが、矢吹神のイラスト入りの冷却材(ヒヤロンみたいなやつ)を無料配布していた件について
宣伝、広告目的でもあるが、それだけでなく参加者のことを考えて、ご好意でやっていただいているという話がありました。
黙認されている同人誌活動。
集英社のパロディ同人誌をかいにきた人もいる一般参加者が熱中症になって倒れたりしないように、とやってくれているのは、昔じゃ考えられなかった。
こういう会場、イベントに、このような形でアプローチをかけてくれたのは「パロディと海賊版は違う」と暗に言ってくれている気がする、
経済産業省主体で行っている海賊版撲滅の運動の「ありがとう」の動画についても同じように、という話がありました。
今後に関して
市川代表からこれら以外に
・来年開催されるコミケットスペシャルについて
・くろけっと(黒子のバスケ)について、犯人に関する判決について
などの話がありました。
スペシャルに関しては、まだつめている段階のようですし(間に冬コミもあるので)
黒子のバスケの脅迫犯に関しては、裁判が今月末に終了予定、ということなので続報まち、という感じでした。
そして、今回は棟梁が休み。
コミケ開始してから一度たりとも休んだことなかったようですが、初めて、ということで本人も悔しいはず、と代理の方がいっていました。共同代表の3人からは、いろいろ言われてましたがw
質疑応答
まいど、最後に質疑応答がありますが、あまり本質的なものは少なかったので簡単に。
Q:コミケの開催日、開催日数について
A:できることなら土日を絡めて。サークル数が多いので2日開催はもうやらないだろう。山の日もあるし4日開催もありえるかも?
Q:オリンピックに関して
A:東京都自体がまだ計画を出していないから予定がわからない。急に決まっても良いように動ける体質作りをしていく。
Q:企業参加不要論、企業の存在価値
A;予算的に企業の参加費が大きい。また、参加してくれる企業は、「何かあった時に、きっと味方になってくれる、理解者となりうる」。
終了
最後に、一本締めで終了。
開場の「イベントがすべて終了」の終了放送もあり、ひと段落となりました。
この後に恒例の「最後の待機列」だったりをやって楽しんでから会場を離脱しました。
最後に、すべて撤収後(モップがけをしている方はいますが・・・)の会場の様子。
これを見ると、「コミケをやり遂げた」という感覚があって気持ち良いです。